Archive for 11月 9th, 2011

アネモネ

Posted on 水曜日, 11月 9th, 2011 at 9:31 PM

 ギリシャ神話には
 悲しい
 屈折した
 物語りを持つものがあります。
 

 アネモネも
 そんなおはなしを持つ花です。
 

 『アッシリア王テイアースの娘ミュラー(スミュルナ)が
 父王を愛し
 その結果生まれたのがアドニスです。
 

 愛の女神アフロディーテはその誕生を見守っていました。
 アフロディーテはこの不幸な出生のアドニスの養育を
 ペルセホネ(母なる神・豊穣の女神デメテルの娘で冥界の神ハデスの妻)に頼みました。
 

 アドニスは美しく成長した青年になっていきました。

 そんなアドニスにアフロディーテは恋をしてしまいます。

 アフロディーテは片ときもアドニスを離しませんでした。

 アフロディーテと恋仲にあったアレスは嫉妬し
 猪に姿を変え
 狩に行ったアドニスを殺してしまうのです。
 

 悲しみにくれるアフロディーテは
 アドニスを抱きかかえましたが生き返りはしませんでした。
 この時アドニスが流した血からアネモネの花が生まれ
  


  

 死を悲しむ
 アフロディーテが流した涙が
 白バラを
 赤く染めたとも言われています。
 

 美しいけれど
 風が吹くと散ってしまう
 はかない花。
 それがアネモネです。
 

 ギリシア語の『風(アネモス)』が語源のアネモネ☆
 

 こころ惹かれる花です。
 

 アネモネ:キンポウゲ科